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「そうだったんですか・・・」
俺の話を聞くと鉱竜の顔が曇りだした。
「そんなことしたんですか・・・?薬ですか・・・」
黒竜の話を聞いても、表情は変わらず・・・
「先輩が急にそんな事を・・・?」
黒竜は、その時紅竜からいつもと変わった香りがしたと説明した。
「変ですね。発汗対策のやつはつかっていますけど・・・」
香水でなく、おそらくフェロモンかその類のやつだろう。
「それじゃあ、本人に聞いてみようぜ。」
天暫がストレートな意見を出した。
「まあ、いきなり聞いてもな・・・そこで、いい考えがあるんだぜ。」
天暫の事だから、とんでもない事だろう・・・

天暫の考えとは、
メンバー全員で、紅竜とヤりながら問いただすという事だった。
かなり強引な考えだが・・・俺達が直接聞いたところで隠すだろうな。
「最高な考えだろう?アイツも気持ちよく答えてくれるはずだぜ。」
俺達は、しばらく黙ってしまった。
「なんだよ・・・他に良い考えあるのかよ!?」
天暫はあきらかに不満だった。
力で無理やり聞き出すのも難だし、時間に余裕もない。
「・・・とにかく、今日のメニューをはじめるぞ。鉱竜は、早く着替えて来い。」
その後、俺達は淡々とメニューをこなした。

休憩時に、紅竜から飲み物をもらうと・・・
俺達は、目で合図しながら様子を伺っていた。
飲み終わった容器を片付けに、シャワー室前の流しに持っていくのを確認したら、
「よし、俺から先に仕掛けるぜ。ゾクゾクするなぁ・・・」
天暫はやけにノリ気だ。
「こういう事なら失敗はしねえぜ。お前達も後に来いよ。」
水を差すようで悪いかと思ったが、一応忠告した。

「あ、あんまりやりすぎるなよ。お前の事だからな・・・」
内心は、凄い心配していた。
ばれない様に、俺は物影から覗いてみる事にした。

容器を洗っているしている紅竜が、天暫に気づいた。
「あ、天暫先輩。どうしました?」
紅竜は不思議そうに天暫を見る。
「俺も手伝ってやるぜ。その方が早く終わるだろ?」
普段、手伝う事がない天暫が手伝ってくれて嬉しいのだろうか・・・?
紅竜は素直に受け入れた。
「紅竜。この後の時間は自由という事だからさ・・・なあ、いいだろう?」
その言葉を聞くと、紅竜は動揺していた。
「て、天暫先輩・・・?今は・・・ちょっと・・・他の先輩も居ますし。」
片付けは終わったものの、他の先輩が気になるのか、乗り気じゃないようだ。
「了解はとってあるよ。さあ・・・」
天暫は半ば強引に紅竜をシャワー室へ連れて行った。

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